京の我が家

「懐古庵」

「懐古庵」は、1870年代の明治時代初期に建てられた5棟連なる長屋造の町家です。「京の我が家」をコンセプトに、風情ある京町家を一棟貸しの宿として提供しております。

約150年前に建てられたこの町家が「懐古庵」として生まれ変わったのには理由があります。京都では毎日のように町家が取り壊されていて、京都らしさが失われつつあります。当時、この5軒の長屋も、一番奥の家にだけ明かりが灯る状態で、全棟解体寸前でした。私たちは、「このままでは、京都が京都ではなくなってしまう。もう一度、家々に明かりを灯さなければ!」という思いから、一棟貸しの空間として再生させることにしました。

現在、全棟に温かい灯りが戻った懐古庵では、昔ながらの京都の暮らしを体験できます。路地には、かつてお母さんたちがご飯を炊いた「おくどさん(かまど)」や、洗濯をしながら井戸端会議をしていたであろうつるべ井戸などが当時のまま残っています。

「懐古庵」は、京都の主要な観光地へのアクセスに優れていて、徒歩圏内には、南に向かえば祇園・清水、東に向かえば南禅寺・平安神宮、西に向かえば鴨川・河原町の繁華街、そして北に向かえば下鴨神社・京都御苑があります。大阪までは、電車で1時間足らずで行くことができる、とても便利な場所にあります。

「懐古庵」は150年の時を経てなお、この地に残る京都の暮らしの風情や文化をできるだけ昔のままに保存しております。懐かしさや温かさが感じられる路地こそが京都の魅力であると考え、この特別な場所を、多くの方たちに体験していただきたいと願っています。

皆様に楽しんでいただきながら、この町家を末長く存続し、京都の街を守るために微力ながら尽力してまいります。私たちは、いつでもいつまでも、家々に明かりを灯して、皆さまのお越しをお待ちしております。

懐古庵 鷲尾澄子